ソトノノノ春の作業日:再生のまなざしを育てる一日
- Amy Arnett
- 1 day ago
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5月20日、熊野市の山間にある「ソトノノノ」にて、少人数ながら心あたたまる作業イベントを開催しました。かつて地元の校長先生が暮らしていたこの古民家は、今、地域と自然をつなぐ新たな学びの場へと静かに変わり始めています。

ナビゲーターを務めたのは、アグロフォレストリー教育者のエイミー・アーネットさんと、ネットワークエコロジストのカロリナ・カルヴァーリョさん。国内外で再生型の教育・コミュニティデザインに携わってきた2人の案内のもと、参加者たちは植物群落の意図的な選抜という基本的な農的実践を体験しました。ヌスビトハギやイラクサ、ウマノスズクサなど、在来生態系に負荷をかける草本類を見分けて丁寧に除去し、共生可能な在来種に陽の光と風を届ける場づくりが進みました。

また、敷地内のフードフォレストでは、ソトノノノの屋根から出た古瓦を再利用し、自然な境界線を設置。これにより空間が整理されるだけでなく、トカゲやヒキガエル、マルハナバチなどの微小な生きものたちが安心して棲める多層的な生息環境が整備されました。午後には、サトイモやグラジオラス、筍の収穫・移植を行い、屋内でのピクニックへ。お互いの手作りのランチを囲みながら、穏やかで実りある対話の時間が流れました。

最後に、参加者それぞれが森の一部を手に取り、苗や球根を自宅へと持ち帰りました。日常のなかに「育てること」を持ち帰る――それこそが、再生のはじまりです。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。これからもこの場所と共に、少しずつ、丁寧に育んでいけたらと思います。
