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熊野でSDGsを学ぶ

更新日:2023年3月20日

2022年5月5日(木・祝日)、一般社団法人熊野新道(以下、熊野新道)の再生プログラムマネージャー兼レジデントエコロジストのカルヴァーリョ・カロリーナは熊野に到着して以来初めて地元のイベントに参加することができ、嬉しかったそうです。来日後、1週間近くの自宅等待機期間(隔離)を経て、その後1週間は大雨に見舞われ、、熊野の生活に慣れることに時間を費やしていました。そのため、環境教育イベントにて、土に触れることを待ち望んでいました!

投稿者のカロリーナさん指導担当していた熊野新道のセッション

このイベントは、熊野の子どもたちのための、、豊かな森林資源と共生する生き物のあり方を探る教育イベントを支援するため、地域の木材関係者が組織横断的に集まり、実行委員会を運営しているNPO法人『林星会』主催で行われました。熊野新道は、このイベントのために家族向けのアクティビティを用意するよう依頼を受け、参加させていただきました。

『HIASOBI』のSTEAM教育道具​の付加価値を創出して、SDGsに特化した教育を実施

早朝、熊野の美しい曲がりくねった山道を30分ほど走ると、山の中の趣のある小さな集落にある赤倉に到着しました。現在は過疎により住人がいないですが、この小さな村には、中平さんが経営するあまごの養殖場である赤倉水産と民宿と、民宿を運営する建物や中平さんが広葉樹林を植樹している森、野菜を育てている畑など含む広大な敷地があり、イベントを行うのに十分な設備が整っています。 この日の子供たちのアクティビティは、熊野新道のローカルパートナーであるirokuma kidsの代表である井上結子さんが引率するフィールド散策から始まり、子どもたちが後に行われるプログラムで使う枝を探したり、養魚場を見学したり、天ぷらで食べられる山菜(ウド、ミョウガタケ、ユキノシタ、お茶の葉等)を探したりと、盛りだくさんでした。 子供たちが外で遊んでいる間、大人たちは室内で天ぷらを揚げたり、ピザの生地を大量に作ったりと準備に大忙しでした。ピザは赤倉の薪窯で焼かれ、美しい紀伊の山々を背景に、みんなで美味しくいただきました。

薪窯で焼いたおいしいピザもあります


山菜の天ぷら

そして、満腹になったら、いよいよ本格的な森遊びの時間が始まりました。「HIASOBI」(火遊び)とは、林星会会員の野地木材工業株式会社がデザインしてクラウドファンディングで資金と得て開発した革新的なサステナビリティ教育製品です。廃棄される運命にある熊野ヒノキの端材を使用した可愛いらしいキャラクターで、子どもたちが火の使い方が学習できるものです。このプロジェクトは、2022年2月10日に募集を開始し、197人の支援により1,294,502円の資金を集め、2022年03月13日に募集を終了しました。


HIASOBIにはいくつかの種類があります。

HIASOBIが活躍中!


HIASOBIが黒くなったら、水をかけてバイオ炭にするのですが、これには時間がかかるため、ブログの後半で改めてご紹介します!HIASOBIがゆっくり燃えているうちに、私が指導担当していた熊野新道のセッションの時間になりました。


まずは、植物のライフサイクル(生活環)に関するヒントをもとに、行方不明の種(”たねちゃん”と呼ぶ)を探す宝探しからスタートしました。子どもたちはみんな大喜びで、ヒントを読み解き、宝物を見つけるのはとても上手でした!たねちゃんが見つかったら、その種が健全な木に成長するために必要なものを与えるために、さまざまな森の種や雨や太陽などの生物的要因の役割を果たすことが課題になりました。共生関係(例えば、木々の間に栄養と水を運ぶ菌根の役割は非常に重要です)や母樹の役割、そして優れた森林管理者がいかに豊かで活気のある森林生態系に貢献できるかなど、森林を全体としてとらえ、話し合いました。


第2部では、昨年、熊野地域に移住したビジュアルアート・映像制作・音楽に携わっているピオトロフスキー・ヤレク氏、澤歩実氏が、南アフリカでのチェーンソーオペレーターのトレーニングにVRを用いるなど、世界各地のプロジェクトや企業がテクノロジーを使って森林管理や林業活動を教える革新的な方法について共有しました。

そしていよいよ、この日最後の活動であるバイオ炭づくりと植樹の時間でした。この時、HIASOBIはすでに、水をかけてバイオ炭にできる程度に燃えていました。バイオ炭を土に戻すと、炭素の吸収が促進され、水を保持し、浄化し、スポンジのように栄養を吸い上げることができるため、土壌の健康状態を改善することができるのです。このように、新しく生まれ変わったバイオ炭化した「HIASOBI」を、小さな木と一緒に土に戻しました。

バイオ炭のHIASOBI


植樹活動

植樹は、熊野の美しい山や森の中で、地域の人々と一緒に過ごしたとても楽しい一日の終わりを告げるものでした。そして、この森遊びに参加できたことに感謝し、良い思い出を作ることができました。 カルヴァーリョ・カロリーナは、熊野新道の再生プログラムマネージャー兼レジデントエコロジストです。現在、熊野に住みながら、ランドスケープデザインの最終調整、メタバースプロジェクトのための3Dモデル作成、環境教育の指導を行っています。




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